オンライン広告における規制対象コンテンツ
処方薬のオンライン販売促進は明確に禁止されています。具体的には、処方薬そのものの販売や、処方薬を扱うオンライン薬局の宣伝が該当します。医師の処方箋が必要な医薬品を不特定多数に向けて販促することは、患者の安全確保の観点から制限されています。
未承認医薬品や健康食品のプロモーションも規制対象です。承認されていない医藥品や、危険成分を含む可能性のある健康食品、医薬品と誤認される名称を使用した製品の販売促進は許可されていません。例えば、厚生労働省が承認していない成分を含むサプリメントや、医薬品類似名称の健康食品などが該当します。
広告表示に関する技術的要件
広告によるコンテンツの遮蔽は問題視されます。ユーザーが閲覧したいコンテンツが広告によって部分的または完全に隠されるような表示方法は適切ではありません。同様に、コンテンツがGoogle広告を隠すようなレイアウトも禁止されています。
動画広告の適切な分類が求められます。動画コンテンツ内に表示される広告は、「インストリーム広告」(ユーザーがリクエストした動画コンテンツ内に表示)や「コンパニオン広記事務所」(主要コンテンツに付随するミュート状態の動画広告)など、その表示形式に応じた正確な分類が必要です。
薬剤師としての実践的対応
薬局のウェブサイト運営においては、一般用医薬品(OTC薬)の適正な情報提供に注力すべきです。処方薬に関する情報提供は、あくまで医師の指導の下で使用されることを前提とした教育的コンテンツに留めることが望ましいでしょう。
地域の薬局として、オンライン相談窓口の設置や服薬指導サービスの紹介など、法令遵守の範囲内で効果的な集客方法を模索することが重要です。これらのサービスを宣伝する際も、医療広告に関する薬事法や景品表示法との整合性を常に確認する必要があります。
薬剤師としての専門性を活かした正しい医薬品情報の発信が、結果的に信頼できるオンラインプレゼンスの構築につながります。